ネット証券を比較して分かったおすすめ会社ランキング14選
老後の資産形成が叫ばれている昨今、証券会社で株式や投資信託に投資しての資産形成に注目が集まっています。
ただ、証券会社はネット証券と総合証券に分かれており、サービス内容は千差万別です。それぞれ強みも異なります。
どの証券会社が良いの?
ネット証券と総合証券はどちらが良いの?
このように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、2023年に開設したいおすすめのネット証券をランキング形式で紹介します。
ネット証券を選ぶ際の比較ポイントについても紹介しているので、ぜひ読み進めてみてください。
- 【2024年最新】ネット証券比較おすすめランキング14選
- SBI証券|IPOの取り扱い数がネット証券トップクラス
- 楽天証券|楽天ポイントで株や投資信託が購入できる
- マネックス証券|還元率1.1%の積立投資ができる
- auカブコム証券|Pontaでポイント投資
- 松井証券|1日100万円までの取引手数料が一律無料
- SMBC日興証券|使いやすい「日興フロッギー」がおすすめ
- GMOクリック証券|FXにも強いネット証券
- 岡三オンライン証券|取引手数料の無料幅が広い
- SBIネオトレード証券|国内株式・信用取引に強い
- DMM株|米国株を手数料無料で取引できる
- PayPay証券|金額単位で株式を買える新しい証券会社
- LINE証券|スマホ取引に適した使いやすい画面構成
- tsumiki証券|お金を使わないポイント投資が可能
- 大和コネクト証券|大和証券グループが提供するネットサービス
- ネット証券と総合証券の違いを比較
- ネット証券の選び方のコツ・ポイント
- ネット証券の口座開設の流れ
- ネット証券比較に関するQ&A
- まとめ
【2024年最新】ネット証券比較おすすめランキング14選
証券会社は国内だけでもさまざまな会社があり、選ぶのに苦労する人も少なくありません。
ここでは初心者から上級者まで使いやすくユーザー数も増加しているネット証券の中から、特におすすめできる証券会社を紹介します。
SBI証券|IPOの取り扱い数がネット証券トップクラス
- あらゆる投資サービスが提供されている業界最大手
- IPO実績が122件(2021年)とネット証券トップ※
SBI証券はネット証券の中でトップクラスの口座開設数を誇る証券会社です。
手数料の安さ・使いやすさ・サービスの豊富さなどさまざまな点で業界屈指の評価を誇り、開設したい証券会社で迷ったらSBI証券を選べば失敗はないでしょう。
NISA・つみたてNISA・iDeCoと、あらゆる非課税制度に対応しているほか、IPOの実績も2021年は122件※とこちらも他社を圧倒しています。
※SBI証券|IPO取扱銘柄数10年連続No.1!「IPO投資チャレンジキャンペーン」実施のお知らせ
NISA口座 | あり |
つみたてNISA | あり |
iDeCo | あり |
取引手数料 | 0円 |
IPO実績(2021年) | 122社 |
ポイント投資 | Tポイント、Pontaポイント |
楽天証券|楽天ポイントで株や投資信託が購入できる
- 個別株・投資信託・つみたてNISAの購入で楽天ポイントが貯まる
- 短期トレード向けの優秀なツールも多い
楽天証券は、SBI証券と並ぶネット証券の最大手です。
楽天ポイントを利用したポイント投資に対応しているのが魅力で、楽天経済圏を利用している人なら効率良くポイントを貯めながら投資ができます。
投資信託を保有している場合、つみたてNISA口座でも楽天ポイントが付与されます。ポイントだけでなく、個別株の短期トレードでも優秀なツールを備えているのもメリットです。
「マーケットスピード2」や「iSPEED」といった多くの投資家から支持されるスマホアプリやPCツールも、口座開設すれば無料で利用できます。
NISA口座 | あり |
つみたてNISA | あり |
iDeCo | あり |
取引手数料 | 0円 ※手数料「0円(無料)」適用には手数料コース「ゼロコース」の選択が必要 |
IPO実績(2021年) | 74社 |
ポイント投資 | 楽天ポイント |
マネックス証券|還元率1.1%の積立投資ができる
- マネックスアドバイザーによって投資家に合わせた投資プランを提供してくれる
- 「ワン株」を利用すれば日本株を1株で購入できる
マネックス証券は、各投資家に合う運用プランを提案する「マネックスアドバイザー」を提供する証券会社です。
資産運用の初心者でも、プロのアドバイスを受けながら堅実な投資をスタートできます。
米国株と中国株に強い証券会社として知られますが、国内株式でも充実したサービスを利用可能です。たとえば「ワン株」サービスを利用すれば、本来は100株単位での購入が必要な日本株を1株から購入できます。
IPO抽選は100%完全平等抽選であり、申込口数が少ない人でも当選のチャンスがあるのが魅力です。
ポイント還元にも力を入れており、投資信託の積立をマネックスカードで行うことで、1.10%の還元率でポイントを獲得できます。
NISA口座 | あり |
つみたてNISA | あり |
iDeCo | あり |
取引手数料 | 【1注文の約定代金】 5万円以下:55円 10万円以下:99円 20万円以下:115円 50万円以下:275円 100万円以下:535円 150万円以下:640円 3,000万円以下:1,013円 3,000万円超:1,070円 【1日の約定代金合計額】 100万円以下:550円 100万円超、約定金額300万円ごとに2,750円を加算 |
IPO実績(2021年) | 72社 |
ポイント投資 | マネックスポイント |
auカブコム証券|Pontaでポイント投資
- auユーザーはポイント還元率が0.1%アップ
- 「プチ株」を利用すると1株から日本株を購入できる
auカブコム証券は、Pontaポイントによるポイント投資にも対応したネット証券です。
auの投資信託を保有している人やauの通信契約がある人ならポイントの付与率が最大0.1%アップする特典があります。
マネックス証券同様の単元未満株も利用でき、「プチ株」を利用すると国内株式を1株から購入できるのもメリットです。
日本株は原則100株での取引になり、銘柄次第では1単元の取引で数百万円の資金が必要です。auカブコム証券なら1株から購入できるため、数万円あればほとんどの銘柄を購入できるでしょう。
個別株の発注機能やカスタマイズ機能が魅力の「kabuステーション」も利用でき、短期トレードにも利用しやすくなっています。
NISA口座 | あり |
つみたてNISA | あり |
iDeCo | あり |
取引手数料 | 【1注文の約定代金】 5万円以下:55円 10万円以下:99円 20万円以下:115円 50万円以下:275円 100万円以下:535円 100万円超:約定金額×0.099%(税込)+99円※上限:4,059円 【1日の約定代金合計額】 100万円以下:0円 200万円以下:2,200円 300万円以下:3,300円 400万円以下:4,400円 500万円以下:5,500円 以降100万円ごとに1,100円を加算 |
IPO実績(2021年) | 42社 |
ポイント投資 | Pontaポイント |
松井証券|1日100万円までの取引手数料が一律無料
- 1日の約定代金が50万円まで無料
- 外部機関で高い評価を得た優秀なサポートサービスがある
松井証券は、100年以上の歴史を持つ老舗の証券会社です。
国内株式の取引手数料が安いのが特徴で、1日の約定代金が50万円まで無料になります。さらに、未成年を含む25歳以下の人なら1日の約定代金に関係なく手数料が無料です。
サポート体制も優秀で、HDI-Japan(ヘルプデスク協会)主催の「2022年度問合せ窓口格付け(証券業界)」において最高評価である「三つ星」を12年連続で獲得しました。
さらに、ネット証券では珍しい投資信託の信託報酬が現金で還元可能なサービスも提供しています。
NISA口座 | あり |
つみたてNISA | あり |
iDeCo | あり |
取引手数料 | 【1日の約定代金合計額】 50万円以下:0円 100万円以下:1,100円 200万円以下:2,200円 以降100万円増えるごとに+1,100円 |
IPO実績(2021年) | 56社 |
ポイント投資 | 松井証券ポイント |
SMBC日興証券|使いやすい「日興フロッギー」がおすすめ
- 情報メディアと取引機能がセットになった「日興フロッギー」が利用できる
- 手数料200円の支払いごとに1ポイントのポイントが利用できる
SMBC日興證券は、独自サービス「日興フロッギー」を提供している証券会社です。
「日興フロッギー」は情報メディアと取引機能がセットになったサービスで、株式に関する豊富な情報を読み込みながら取引ができます。取引を重ねていくうちに、投資信託の知識がどんどん蓄積されていくでしょう。
国内株式の取引で発生する委託手数料200円ごとに「dポイント」が1ポイント付与されるのもメリットです。普段のポイ活をdポイントで行っている方にもおすすめできます。
NISA口座 | あり |
つみたてNISA | あり |
iDeCo | あり |
取引手数料 | 【1注文の約定代金】 10万円以下:137円 20万円以下:198円 30万円以下:275円 50万円以下:440円 100万円以下:880円 200万円以下:1,650円 300万円以下:2,200円 500万円以下:3,300円 ※ダイレクトコースの場合 |
IPO実績(2021年) | 非公開 |
ポイント投資 | dポイント |
GMOクリック証券|FXにも強いネット証券
- 確認したい銘柄の新着情報やチャート推移などが1画面で確認できる
- 24時間無料で相談できるサポートも優秀
GMOクリック証券はFXの世界では業界トップクラスのサービスを提供している会社として知られていますが、株式や投資信託も利用可能です。
取引ツール・スマホアプリが使いやすいな点も見逃せません。確認したい銘柄の新着情報やチャート推移などが1画面で確認できるだけでなく、チャート上から直接注文する機能もついています。
ツールの使い方が分からずに困ったときに24時間無料で相談できるサポートも優秀です。フリーダイヤル・メールの両方に対応しているので、好きなほうから気軽に問い合わせできるでしょう。
NISA口座 | あり |
つみたてNISA | なし |
iDeCo | なし |
取引手数料 | 【1注文の約定代金】 5万円以下:50円 10万円以下:90円 20万円以下:100円 50万円以下:260円 100万円以下:460円 150万円以下:550円 3,000万円以下:880円 3,000万円超:930円 【1日の約定代金合計額】 100万円以下:0円 200万円以下:1,238円 300万円以下:1,691円 以降100万円増加ごとに+295円 |
IPO実績(2021年) | 0社 |
ポイント投資 | なし |
岡三オンライン証券|取引手数料の無料幅が広い
- 1日定額100万円まで手数料が無料
- 取引所FX・NISA・iDeCo・IPOなど投資の選択肢が豊富
岡三オンラインは、1日定額100万円まで手数料無料と、取引コストを抑えて投資できるネット証券です。
現物取引以外にも商品ラインナップが充実しており、つみたてNISAこそ扱いがないものの、取引所FX・NISA・iDeCo・IPOなど、投資の選択肢が豊富に用意されています。
NISA口座 | あり |
つみたてNISA | なし |
iDeCo | あり |
取引手数料 | 【1注文の約定代金】 10万円以下:108円 20万円以下:220円 50万円以下:385円 100万円以下:660円 150万円以下:1,100円 300万円以下:1,650円 以降100万円増加ごとに+330円(上限3,300円) 【1日の約定代金合計額】 100万円以下:0円 200万円以下:1,430円 以降100万円増加ごとに+550円 |
IPO実績(2021年) | 49社 |
ポイント投資 | なし |
SBIネオトレード証券|国内株式・信用取引に強い
- 1約定ごとの手数料が50円~と格安
- さまざまなシーンで使える注文方式が揃う
SBIネオトレード証券は、SBI証券と同じSBIグループに属する証券会社です。1約定ごとの手数料が(5万円以下であれば)50円と、SBI証券よりも安い設定になっています。
さまざまなシーンで使える注文方式が揃っている点も魅力です。新規注文と同時にロスカット注文を行えば、急な相場変動でも損失を最小限に抑えることができます。
IPOに申し込む際も、SBIネオトレードでは事前の入金が不要です。さらに、PC用トレーディングツール「NEOTRADE R」、ブラウザツール「カブ板」などのツールも優秀なものが揃っています。
NISA口座 | あり |
つみたてNISA | あり |
iDeCo | なし |
取引手数料 | 【1注文の約定代金】 5万円以下:50円 10万円以下:88円 20万円以下:100円 50万円以下:198円 100万円以下:374円 150万円以下:440円 300万円以下:660円 300万円超:880円 【1日の約定代金合計額】 100万円以下:550円 150万円以下:880円 200万円以下:1,100円 300万円以下:1,540円 以降100万円ごとに+295円 |
IPO実績(2021年) | 22社 |
ポイント投資 | なし |
DMM株|米国株を手数料無料で取引できる
- 米国株の取引手数料が無料
- 1つのPCツール・スマホアプリで日本株・米国株が取引可能
DMM株では、米国株の取引手数料が0円という強みがあります。信用取引のコストも業界最低水準であり、安心して利用できるでしょう。
スマホアプリの見やすさ・使いやすさも魅力です。1つのPCツール・スマホアプリで日本株・米国株が取引できます。
保有米国株を信用取引の担保に利用可能という点も含め、米国株に注力している点も魅力です。
NISA口座 | あり |
つみたてNISA | なし |
iDeCo | あり |
取引手数料 | 【1注文の約定代金】 5万円以下:55円 10万円以下:88円 20万円以下:106円 50万円以下:198円 100万円以下:374円 150万円以下:440円 300万円以下:660円 300万円超:880円 |
IPO実績(2021年) | 5社 |
ポイント投資 | DMM株ポイント |
PayPay証券|金額単位で株式を買える新しい証券会社
- 最低1,000円から「金額単位」で投資できる
- IPOを1株から購入もできる
PayPay証券は、最低1,000円からという「金額単位」で投資できるのが魅力のネット証券です。
金額単位の取引であれば、一定金額を定期的に投資する「ドルコスト平均法」が簡単に実現できます。高い時には少額の購入に抑え、安い時に大量に購入できることで平均購入単価を安くできるのがメリットです。
IPOを1株から購入できるサービスを展開しているのも魅力で、ほとんどの銘柄について千円単位で気軽にIPOに挑戦できます。
NISA口座 | あり |
つみたてNISA | あり |
iDeCo | なし |
取引手数料 | 東京証券取引所の立会時間内:「基準価格」に0.5%を乗じた価格 上記以外の時間帯:「基準価格」に1.0%を乗じた価格 |
IPO実績(2021年) | 0社 |
ポイント投資 | PayPayポイント |
LINE証券|スマホ取引に適した使いやすい画面構成
- LINEアプリで投資ができる
- 重要な連絡はLINEで通知されるので見逃しが少ない
LINE証券は、誰もが知っているスマホアプリ「LINE」から直接投資ができる証券会社です。普段使っているアプリだけで投資できるため、「PCサイトにログインするのは面倒」という人でも気軽に利用できます。
取引に関する情報の通知もLINEから行ってくれ、重要な通知を見落としにくいのもメリットです。
日本株は単元未満株も提供しており、1株から投資できます。
IPO投資は元々0社でしたが、2021年に11社がラインナップしました。今後はさらに取り扱うIPOが増えることも予想でき、成長性にも期待できるでしょう。
NISA口座 | なし |
つみたてNISA | あり |
iDeCo | あり |
取引手数料 | 【1注文の約定代金】 5万円以下:55円 10万円以下:99円 20万円以下:115円 50万円以下:275円 100万円以下:535円 150万円以下:640円 3,000万円以下:1,013円 3,000万円超:1,070円 |
IPO実績(2021年) | 11社 |
ポイント投資 | LINEポイント |
tsumiki証券|お金を使わないポイント投資が可能
- 「エポスカード」を持っている人が利用できる
- 投資信託が厳選されているので初心者でも使いやすい
tsumiki証券は、クレジットカード「エポスカード」を持っている人が利用できる証券会社です。
たまったポイントで「資産づくり」ができるのが特徴で、100エポスポイントから、好きなときに厳選された5種類の投資信託を購入できます。つみたて投資でエポスポイントを受け取ることもでき、つみたて金額は、ゴールド・プラチナカードの年間利用分に加算されます
毎月100円からのカード積立にも対応していて、カードからの引き落としによって簡単に手間いらずの投資が楽しめるでしょう。
つみたてNISAにも対応しているので、長期の資産形成にも向いています。
NISA口座 | なし |
つみたてNISA | あり |
iDeCo | なし |
取引手数料 | 投資信託のコストのみ |
IPO実績(2021年) | 0社 |
ポイント投資 | エポスポイント |
大和コネクト証券|大和証券グループが提供するネットサービス
- アプリが感覚的に使いやすく、初心者でも簡単に投資できる
- 1株から株を買える「ひな株(単元未満株)」にも対応
大和コネクト証券は大和証券グループの一員として誕生した「スマホに特化したネット証券」です。
スマホでの取引ができるので気軽に投資でき、感覚的に使いやすいアプリによって初心者でも簡単に投資できます。
1株から株を買える「ひな株(単元未満株)」にも対応しており、最小数百円から株を始めることが可能です。定期買付(毎日・毎月)にも対応しているため、長期的な資産形成にも利用できます。
NISA口座 | あり |
つみたてNISA | あり |
iDeCo | あり |
取引手数料 | 約定代金の0.033%(税込) |
IPO実績(2021年) | 49社 |
ポイント投資 | dポイント、Ponta |
ネット証券と総合証券の違いを比較
証券会社の選択肢としては、冒頭で紹介したようなネット証券のほかに、店舗を構えた総合証券もあります。
大和証券や野村証券など、一度は名前を聞いたことがある有名企業ばかりです。証券会社といえばこちらをイメージする方も多いのではないでしょうか?
ネット証券と総合証券はそれぞれメリットがあり、「こちらが絶対に有利」と断言することはできません。
これから紹介する双方のメリットを知り、ご自身に合う証券会社を選んでください。
- 対面型の総合証券ならプロに直接質問できる
- ネット証券は手数料・コストが割安
- 注文への対応時間が異なる
- 迷うなら両方開設すれば良い
対面型の総合証券ならプロに直接質問できる
総合証券はネット証券と比較して、取引の手数料が高めに設定されています。
担当者の人件費や店舗の家賃等が上乗せされているため
その代わり、総合証券では利用者に専任の担当者がつきます。投資に関して分からないことは何でも質問できますし、今後の運用方針についてアドバイスもしてくれます。
保有銘柄の価格が急変した際には担当から連絡が入るので、自分でチャートを常にチェックする必要もありません。
ネット証券は手数料・コストが割安
ネット証券は前述した総合証券とは違い、専任の担当者がつくことはありません。資産運用の判断は全て自分が行うことになります。
その代わり、ネット証券は店舗も人員もいないことでコストカットがされており、手数料も総合証券よりも割安な設定が一般的です。
長期運用においては固定でかかってくるコストによって利益額が減ってしまうので、いかにコストを安く抑えるかが重要です。その点ではネット証券が有利でしょう。
また、自分で投資判断ができる人にとっては「担当者がいない」ことはデメリットにならず、必要な情報だけを自分で仕入れられます。
注文への対応時間が異なる
ネット証券と総合証券では、注文への対応時間が異なります。
証券会社 | 取引時間以外の注文 |
---|---|
ネット証券 | 可能 |
総合証券 | 不可能 |
ネット証券なら、取引時間である平日の9:00~15:00を過ぎても、買い注文や売り注文が可能です(取引時間後の注文は翌日の注文として扱う)。
総合証券の場合は、店舗が休みになる関係で土日の注文には一部対応していません。
会社員や公務員の方で平日昼間が仕事というケースでは、ネット証券で口座を開設するのがおすすめです。
迷うなら両方開設すれば良い
ここまでネット証券と総合証券、それぞれの良いところを紹介してきました。両者のどちらが自分に合っているか、よく分からない場合は口座を両方とも開設してしまいましょう。
同一の証券口座で口座は1つしか開設することはできませんが、別の証券会社であればいくつ開設しようとも本人の自由です。
また、ネット証券によっては総合口座も同時に開設できる場合があります。それなら1社で両方のサービスが受けられるので、「何社にも申し込みするのは面倒」と感じている方にもおすすめです。
ネット証券の選び方のコツ・ポイント
冒頭でおすすめのネット証券を紹介しましたが、そこから1社に絞っていくのは大変な作業です。
「どれが自分に合っているのか分からない」と悩んでいる人もいるでしょう。
そこで、ネット証券を選ぶ際に比較したいポイントについて、以下のポイントを紹介します。
- 投資スタイルごとに選びたいネット証券は変わる
- 今話題の「米国株」のラインナップに注目
- 先進国以外に投資したいなら「新興国株」のラインナップも要確認
- サポート体制は千差万別
- 取引システム・アプリの使い勝手も重要
- iDeCo・つみたてNISAへの対応も確認する
- 1人で決められないなら「口コミ・評判」も大切に
- 新規上場株で稼ぐなら「IPOの取り扱い数」にも注目
- 株式のリスクを抑えたいなら「金投資」ができる証券会社がおすすめ
投資スタイルごとに選びたいネット証券は変わる
証券会社を選ぶうえで、まず重要になるのが「どんな金融商品・銘柄に投資したいか」という点です。
- 個別株式に投資したい
- 投資信託に投資したい
- つみたてNISAで資産形成をしたい
- iDeCoで老後に備えたい
- IPOで大きく利益を出したい など
個別株1つとっても、「配当を目当てにして長期投資をしたいのか」「優秀なツールを使ってデイトレードで利益を出したいのか?」など、さまざまな判断ポイントがあります。
「自己資金が少ないから少額投資がしたい」なら、1株から投資できる単元未満株に対応した証券会社を選ぶことが必須です。
つみたてNISAやiDeCoは証券会社ごとにラインナップが異なり、選んだ証券会社で扱っていない商品には投資できません。
まず、どんな商品に投資をしたいのかを明確にしておくと、ネット証券選びはスムーズに進みますよ。
今話題の「米国株」のラインナップに注目
ネット証券の商品ラインナップを確認する際、ぜひチェックして欲しいのが米国株のラインナップです。
米国株は文字通り、米国の個別株のことで、AppleやMicrosoft、teslaなどの超大手企業に直接投資できます。
ただ、ネット証券ごとに扱っている商品数が異なるため、何も考えずに選ぶことはおすすめしません。
以下に大手のネット証券の米国株の取り扱い状況を紹介するので、日本以外の大企業に投資したい方はぜひ参考にしてください。
証券会社 | 取り扱い銘柄数 | 手数料 | 為替手数料 (1米ドルあたり) |
---|---|---|---|
SBI証券 | 約5,400銘柄 | 約定代金の0.45%(税込0.495%) 最低手数料:0ドル 上限手数料:20ドル(税込22ドル) | 25銭 |
楽天証券 | 約4,600銘柄 | 約定代金の0.45%(税込0.495%) 最低手数料:0ドル 上限手数料:20ドル(税込22ドル) | 25銭 |
マネックス証券 | 約5,000銘柄 | 約定代金の0.45%(税込0.495%) 最低手数料:0ドル 上限手数料:20ドル(税込22ドル) | 25銭 |
松井証券 | 約1,600銘柄 | 約定代金の0.45%(税込0.495%) 最低手数料:0ドル 上限手数料:20ドル(税込22ドル) | 25銭 |
抜粋した証券会社に関しては、取引手数料と為替手数料に違いは見られませんでした。
米国株に関して言えば、商品ラインナップが多いほど取引に有利なことが分かりますね。
先進国以外に投資したいなら「新興国株」のラインナップも要確認
外国株のラインナップは米国株をはじめとした先進国だけではありません。
中国やインドに代表される、新興国株にも注目しましょう。
サポート体制は千差万別
ネット証券によって、ユーザーに提供されているサポート体制は全く異なります。
それぞれの公式サイトではサポート体制についての言及があるので、それぞれのサービスを比較して充実した証券会社が候補になるでしょう。
一例として、サポート内容と提供するネット証券について紹介します。
サービス名 | 主なネット証券 |
---|---|
対面で資産形成の相談が可能 | SMBC日興証券(総合コース) |
リモート操作で取引画面の操作方法を教えてくれる | 松井証券 |
基礎的な投資の知識が身に付くセミナーを開催している | SBI証券 |
取引システム・アプリの使い勝手も重要
各証券会社では、PC向けの分析ツールやスマホ専用のアプリなど、使いやすいツールを多数用意しています。
自分の利用方法に合わせて使いやすいツールを提供しているネット証券を選ぶようにすることで、取引がスムーズに行えます。
逆に相場の急変の際もすぐに損切りするかの判断ができるので、長期で損失を「抑えつつ利益を狙うならスマホアプリの使い勝手はぜひ確認しておきましょう。
iDeCo・つみたてNISAへの対応も確認する
長期の資産形成をしたい人なら、「つみたてNISA」「iDeCo」への対応は確実にチェックしておきましょう。
つみたてNISAは投資で得られた利益が最長で20年も非課税になる投資制度です。年間40万円まで投資できるのはどの証券会社でも同じですが、ネット証券ごとに以下の点で違いがあります。
商品取り扱い数 | つみたてNISA対応の商品数 |
積立金額 | 毎月最低いくらから投資できるのか |
ポイントがつくか否か | つみたてNISAへの投資でポイントがつくか |
つみたて頻度 | 毎日・毎週・毎月のどれを選択できるか |
iDeCoは、自分の任意で投資・運用ができる私的年金です。
「拠出金額の全額が非課税」「運用期間中に得た利益は非課税」「受取時に控除がある」といった主なメリットはどこで利用しても同じですが、つみたてNISAと同様にネット証券ごとに以下の違いがあります。
商品取り扱い数 | iDeCo対応の商品数 |
手数料 | iDeCoの利用で毎月いくらの手数料がかかるか |
ポイントがつくか否か | iDeCoへの投資でポイントがつくか |
1人で決められないなら「口コミ・評判」も大切に
証券会社を選ぶ際は、「取り扱い商品の豊富さ」「ツール・アプリの使いやすさ」など、これまで紹介したような基本サービスを比較するのが鉄則です、
ただ、どうしても決められない場合は、ネット上で見つかる口コミや評判を参考にすることもできます。
自分と同じ性別、似た年齢の人の口コミが、証券会社を決める最後の一押しになることもあるでしょう。
ただ、あくまでも個人の主観による口コミなので、鵜呑みにせず参考にする程度にしておきましょう。
新規上場株で稼ぐなら「IPOの取り扱い数」にも注目
IPOは「新規上場株式」のことです。上場前の株を購入し、上場後に売却して利益を得る投資手法をIPO投資といいます。
上場前の株式に設定される公募価格は割安な設定になっていることが多く、上場後の初値で売却することで利益をあげやすいメリットがあります。
ただ、そもそも抽選に当選しなければIPO銘柄を購入することができません。
- 取り扱い銘柄が多く応募チャンスが多いネット証券
- 資産額に関係なく、平等抽選が行われるネット証券
- ライバルが少ないネット証券
このような証券会社を見つけて、IPOに当選するチャンスを増やすのがおすすめです。
参考までに2021年度のIPO実績と、抽選方法についてまとめたので参考にしてみて下さい。
証券会社 | 2021年のIPO実績 | IPOの抽選方法 |
---|---|---|
SBI証券 | 122件 | 口数比例抽選IPOチャレンジポイント裁量配分 |
楽天証券 | 74件 | 平等抽選 |
マネックス証券 | 65件 | 平等抽選 |
LINE証券 | 11件 | 抽選による配分 |
松井証券 | 56件 | 公平抽選(ネット分) |
株式のリスクを抑えたいなら「金投資」ができる証券会社がおすすめ
ネット証券を利用する目的は人それぞれでしょうが、大きく分けると以下の2つのいずれかではないでしょうか。
- 株やFXで短期間に大きな利益を出したい
- つみたてNISAやiDeCoで老後の資産形成をしたい
つみたてNISAやiDeCoなどを利用した長期投資では、運用結果次第で将来の受取額に大きな差が生じます。
「元本割れをして将来の老後資金が不足したらどうしよう」と悩んでいる人も多いでしょう。
老後生活に入る直前に大暴落が発生した場合、元本を大きく割り込んで老後生活に不安が生じることも考えられるでしょう。
長期投資を行うなら、ご自身のリスク許容度に応じて、「株式と違う値動きをする資産」を組み込んでおくことをおすすめします。編集部のおすすめは「金」です。
金(ゴールド)は企業や国が発行しているものではなく、実体経済との連動が小さいという特徴があります。
世界的に「金 = 価値がある」という認識が持たれており、株式や債券のような信用リスクとは無縁です。
また、金という現物に投資するため、現物の値段が上がる「インフレ」に強いのもメリットです。災害や戦争といった世界情勢が混乱した時などにも価格が上がる傾向があります。
あらゆる製品を作るのに欠かせないうえに採掘量も限界がありますから、人口が増えるほど金の価値も上がるでしょう。
田中貴金属工業によれば、過去5年間の月次金価格推移は右肩上がりで上昇しています。
株価が暴落するタイミングで金の需要が上がれば、株式の下落をカバーすることができます。
金に投資する方法は現物購入だけでなく、金投資信託や金ETFなどでも投資が可能です。
金に投資することも考え、金関連の投資商品ラインナップが豊富なネット証券を選ぶのがおすすめです。
ネット証券の口座開設の流れ
ネット証券で口座を開設する方法や、手続きにかかる時間はネット証券ごとに異なります。ただ、おおまかな流れは共通しているので、他社の口座開設の流れをみておくだけでも参考になるでしょう。
ここでは最大手の「SBI証券」を例に、口座開設の方法を箇条書きでまとめました。
- インターネットから公式サイトにアクセス
- 口座開設のページでメールアドレスを入力して申し込み
- 届いたEメールに書かれた認証コードを入力して住所などを入力
- 口座開設方法は「ネットで口座開設」を選択
- 「ユーザーネーム」「パスワード」が送られるので、それを使ってログイン
- 本人確認書類を提出
- 再びログインして初期設定
- 口座開設完了通知を受け取り、取引開始
ネット証券比較に関するQ&A
最後に、ネット証券の比較に関して、初心者の方が疑問に感じやすい点と回答をまとめました。
A.投資を行うのに、必ずしも2つ以上の証券口座は必要ありません。サービスが充実した1社で口座を作れば、それだけで資産形成は可能です。
ただ、目的によってネット証券口座を複数持っている方もいます。個別株投資用のネット証券とiDeCo用の口座を使い分ける、といったイメージです。複数の証券口座を持つことで、万が一のシステム障害にも対応できるメリットがあります。
A.マイナンバーの提出が不要のネット証券はありません。2023年現在、新しくネット証券口座を作る場合には、マイナンバーの提出が必要です。これは法律で決められた義務であり、必ず提出が求められます。
まとめ
今回はおすすめのネット証券と、総合証券との違い、それぞれのメリット・デメリットを紹介しました。
ネット証券にも総合証券にもそれぞれの強みがあり、一概にどちらが良いかは判断できません。
コストを抑えてネットから投資したいのか、コストがかかっても専門家のサポートを受けたいのか、といった投資スタイルを明らかにすることで、自然と選ぶべきネット証券は絞られてくるでしょう。